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AI開発で、社長とCTOが別々の実装を作ってしまった話

作成者: kakugawa|Aug 19, 2026, 4:00:00 AM

こんにちは、鉄飛テクノロジーの岡田です。

最近、うちの会社で困ったことがあって、なんとか解決しつつある過程で、学ぶところが多かったのでお伝えします。

大きな案件のために、社内で新しい仕組みを作っています。私も作っている。CTOも作っている。同じプロジェクトのために、二人がそれぞれ実装している。

目的は同じでも、いろいろと違う方式の製品が二つできてしまった。これは、AI時代ならではの新しい問題だと思います。

Claude Codeというツールがあります。うちでも今、がんがん使っています。プログラミングを、AIが手伝ってくれる。というより、ほとんどAIが書いてくれる。人間は、何を作りたいかを伝えるだけ。めちゃめちゃ優秀で、難しくて曖昧な仕様でも、なんかゴリゴリに力技で作ってしまうんです。以前だったら一年がかりだったものが、三週間でできてしまう。

すごい。

ただ、副作用がありました。

一人で作れば、速い。でも、二人で作ろうとすると、まったく違うものが出来上がる。同じ目的なのに、アプローチが違う。「あなたは正しいです」とAIが相槌を打ちながら、それぞれの人間の言うことを聞いて、それぞれの実装を、それぞれ完成させてしまう。

富士山に登る道が、たくさんあるようなもので、入り口が違えばルートも違います。頂上で合流できればいいんですが、頂上に着く前に、それぞれ完成品ができてしまう。

「どっちが正しいか」は、人間対人間で解決するしかありません。

ここで気づいたのは、「作ること」の難しさは、もはやほとんどなくなった、ということです。難しいのは、そのあと。人間同士のすり合わせ。「あなたが作ったこっちを捨てて、私が作ったこっちを使いましょう」という会話。それが、めちゃくちゃ大変。

実装の難しさは消え、仕様の違い・判断のずれの擦り合わせの難しさが、最大の課題として残った。部分的には出来上がった製品の仕様を「ひっくり返す」必要があります。でも面白いことに、この「ひっくり返す」という判断は、以前と比べて、心理的にはやりやすくなっています。

昔だったら、誰かが半年かけて作ったものを、話し合ってひっくり返すのは、かわいそうでできませんでした。八ヶ月頑張った仕事を、無かったことにはできない。人間には、プライドがあります。

でも今は、三週間で出来てしまったもの。しかも、その99%はAIが書いている。人間が投入したコストは、めちゃくちゃ小さい。だから、ひっくり返してもいい、という気持ちに、なりやすいはずなんです。

ところが、実際にやってみると、精神的な抵抗は、あんまり変わらない。八ヶ月かけようが、三週間だろうが、「自分がやった」という自負は、同じくらいあるんですね。人間って、そういうものです。

「一回、原点に立ち返って、こっちから行こうよ」と、ゼロから議論する。それが人間に残された仕事なので、やるんですが、面倒なんです。これは、これからAIをガンガン使う会社全部に、起きることだと思います。

作ることの制約が消えたからこそ、人間側の合意形成の設計、統合の交通整理が、逆に重要になる。これも、うちが最近学んでいることのひとつです。